Starry Night Magic
よし!
君は意を決したようにそう呟くと、俺の体からパッと離れた。
「いい加減行かなきゃ」
俺は頷いた。
君との別れがこんなに辛いと思ったのは初めてだ。
愛しくて愛しくてたまらないけれど、俺が会いに行くまで少しの辛抱だ。
一日でも早く会いに行けるように、明日から頑張ろう。
「じゃあね、元気で」
「おう」
つい10分ほど前にしたやり取りをもう一度繰り返す。
でも今回はさっきとは違う。
「またね」
君がいつものようにそう言ってくれる。
その言葉に俺は一度だけ頷いた。
君は名残惜しそうにしばらく俺を見つめてから、背を向けた。
男の俺が惚れ惚れしてしまいそうな凛々しい後ろ姿見せて、歩き去っていく。
君の姿が見えなくなるまで、見送るのが常だった。
遠ざかっていく背中をさっきとは違う気持ちで眺める。
と不意に君が足を止めて振り返った。