Starry Night Magic

よし!

君は意を決したようにそう呟くと、俺の体からパッと離れた。



「いい加減行かなきゃ」



俺は頷いた。

君との別れがこんなに辛いと思ったのは初めてだ。


愛しくて愛しくてたまらないけれど、俺が会いに行くまで少しの辛抱だ。


一日でも早く会いに行けるように、明日から頑張ろう。



「じゃあね、元気で」


「おう」



つい10分ほど前にしたやり取りをもう一度繰り返す。


でも今回はさっきとは違う。



「またね」



君がいつものようにそう言ってくれる。

その言葉に俺は一度だけ頷いた。



君は名残惜しそうにしばらく俺を見つめてから、背を向けた。


男の俺が惚れ惚れしてしまいそうな凛々しい後ろ姿見せて、歩き去っていく。



君の姿が見えなくなるまで、見送るのが常だった。


遠ざかっていく背中をさっきとは違う気持ちで眺める。





と不意に君が足を止めて振り返った。
< 16 / 27 >

この作品をシェア

pagetop