私が恋を知る頃に
_____ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…

規則的な機械音が聞こえる。

ここはどこ……?

重い瞼をゆっくり持ち上げると、見慣れない真っ白な天井が広がっていた。

……あれ?さっきのは…夢?

私、いつの間に寝たんだっけ……

というか、何してたんだっけ…

頭が上手く回らない。

気を抜いたらすぐにでも寝てしまいそうなくらい強烈な眠気と体の重さがある。

寝てても、いいのかな…起きてた方がいいかな……

ぼーっとする頭で天井を見つめながら考える。

…そういえば、私、生きてる………

死んで、なかった……

残念な気持ちと同時に、どこかほっとしている自分がいる。

ああ、もう…これだから私は……

何故か無性に泣きたくなった。

大声を上げて誰かに抱きついて泣きじゃくりたい気分だ。

それが何でか、頭が回らないせいか、変な夢を見たせいか、曖昧な頭では判断できなかった。
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