私が恋を知る頃に
どのくらい、寝てたんだろう…
目を覚ますと、もう窓の外は明るかった。
昨日みたいなぼんやりした感じもないし、むしろ少しスッキリした感じがする。
でも…………
何故か、私の隣には昨日の知らない人がいて、それも何故かぐっすりと眠っている。
寝てるとはいえ、私の体は無意識にその人を避けるために病室の隅へと向かう。
布団を持ったまま、部屋の隅っこに座って、布団を被った。
「ん…………あれ?」
…起きた
「あれ?いない!?…………って、もしかして、そこの角にいるの……?」
バレた
足音が近づいてくる。
嫌だ…蹴らないで……殴らないで…………
その恐怖から、体が小刻みに震えて息がうまく出来なくなる。
「……ごめんね、布団、取るね」
いや
だめ
来ないで
その声も上手く出なくて、ヒューヒューと喉が変な音をたてる。
「…………っ!!…大丈夫!?ごめんね、怖かったね、何もしないから、落ち着いてゆっくり息を吸ってごらん?大丈夫だよ、大丈夫。」
ひたすら苦しくて、涙が出てくる。
もう…………やだよ…
なにもかも……嫌になっちゃう