私が恋を知る頃に

穂海side

「好きです。俺とお付き合いしてください。」

驚きで言葉が出ない…

碧琉先生が、私のことを好き……?

うそ

うそだ…

本当に?

だって、だって…碧琉先生にとっては私なんてただの患者でしかないんじゃ……

でも………あんなに、優しくしてくれたのって…そういうことだったの?

「…ほ、本当?」

ようやく絞り出した言葉はそれで、まだ驚いた心臓の鼓動はうるさいまま。

「うん。本当だよ。」

碧琉先生の真摯な眼差しに、さらに鼓動がうるさくなる。

先生が私を好き…

私は先生が好き……

これって…これって……

…………両思い?

何故か、目頭があつくなって涙が溢れ出す。

…すごく、嬉しかった

嬉しくて嬉しくてたまらなくて

言葉にならない感情が涙となって溢れ出す。

「わ、私もっ……好きです」

泣きながら必死に伝える。

はじめての恋心

叶わないと思ってた

碧琉先生とは年齢差もあるし、私なんかと比べ物にならないくらい碧琉先生は素敵で…

「…返事、OKって捉えてもいい?」

コクン

私は、しっかりと頷いた。

「……よかった…」

そう言うと、先生は泣きそうな顔で笑って私の手を握ってくれた。

先生の手はすごく暖かくて大きい。

「改めて、これからよろしくね。」

ニコッと笑いかけてくれた顔は、とてもかっこよかった。
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