私が恋を知る頃に
お腹の違和感に気付いたのは、その日から3日後のことだった。
その日は朝からなんだか憂鬱で、ずっと布団にくるまっていた。
すると、職員さんが心配したのか、様子を見に部屋にやってくる。
でも、私の好きな優しいおばあちゃんの職員さんは居なくて、若い女性の職員さんと男性の職員さんだけだった。
男の人を見ると、未だに体が拒否反応を起こそうとするから嫌だなあと思いつつ、言える訳もなく仕方なく目をそらす。
「穂海ちゃん、具合悪いかな。朝ごはんもあまり箸がすすんでいなかったようだけど…」
「大丈夫です…」
はやく1人にして欲しくてそう答える。
「……でも、大丈夫って言われて何かあったら困るんだよ。ただでさえ病気持ちなんだから…急に倒れられても私たちがいなかったらどうするの」
親切心で言ってくれているのはわかる
…でも、倒れてもいいから放っておいて欲しかった。
それくらい、今はなんだか心が荒んでいて、人に優しい気持ちで接することが出来ない。
いつもなら気付かないほどの些細なイライラの種が大きく感じて、心を荒らす。
それを出さないように布団に潜った。
「はあ……、もう18歳になるのよ?いい加減、子どもっぽいことはやめなさい…」
出たよ…年齢の話……
みんな、私が何か都合の悪いことをすると、年齢の話を持ち出す。
もう子どもじゃないんだから
いい歳なんだから
って
年齢、年齢って言われても、気付いたらこの歳だったんだもん
しょうがないじゃん…
ああ、また泣きたくなる
私を心配してくれたのはありがたい…でも、今は構わないで欲しいの……
「いい加減にしなさい。意地張ってないでちゃんといいなさい。」
低い男の人の声。
やめて…
怒らないで…
ごめんなさい
怒られることを察知したのか、体が強い拒否反応を起こす。
胸がギュッてなって息が苦しい。
体が震える
ああ、だから嫌だったのに
また、こうやって自分が制御出来なくなるから。
息が次第に荒くなっていくのがわかり、自分で自分を抱くように腕を巻き付けた。
脳内では、冷静な自分は「本気で怒っているわけじゃない、大丈夫。殴られない。」と言っているけど、本能は「殴られるから逃げろ」と言っている。
碧琉くん、どうしよう…
私、またやらかしちゃった……
上手く、できなかった…
そう涙がこぼれ落ちた。
その日は朝からなんだか憂鬱で、ずっと布団にくるまっていた。
すると、職員さんが心配したのか、様子を見に部屋にやってくる。
でも、私の好きな優しいおばあちゃんの職員さんは居なくて、若い女性の職員さんと男性の職員さんだけだった。
男の人を見ると、未だに体が拒否反応を起こそうとするから嫌だなあと思いつつ、言える訳もなく仕方なく目をそらす。
「穂海ちゃん、具合悪いかな。朝ごはんもあまり箸がすすんでいなかったようだけど…」
「大丈夫です…」
はやく1人にして欲しくてそう答える。
「……でも、大丈夫って言われて何かあったら困るんだよ。ただでさえ病気持ちなんだから…急に倒れられても私たちがいなかったらどうするの」
親切心で言ってくれているのはわかる
…でも、倒れてもいいから放っておいて欲しかった。
それくらい、今はなんだか心が荒んでいて、人に優しい気持ちで接することが出来ない。
いつもなら気付かないほどの些細なイライラの種が大きく感じて、心を荒らす。
それを出さないように布団に潜った。
「はあ……、もう18歳になるのよ?いい加減、子どもっぽいことはやめなさい…」
出たよ…年齢の話……
みんな、私が何か都合の悪いことをすると、年齢の話を持ち出す。
もう子どもじゃないんだから
いい歳なんだから
って
年齢、年齢って言われても、気付いたらこの歳だったんだもん
しょうがないじゃん…
ああ、また泣きたくなる
私を心配してくれたのはありがたい…でも、今は構わないで欲しいの……
「いい加減にしなさい。意地張ってないでちゃんといいなさい。」
低い男の人の声。
やめて…
怒らないで…
ごめんなさい
怒られることを察知したのか、体が強い拒否反応を起こす。
胸がギュッてなって息が苦しい。
体が震える
ああ、だから嫌だったのに
また、こうやって自分が制御出来なくなるから。
息が次第に荒くなっていくのがわかり、自分で自分を抱くように腕を巻き付けた。
脳内では、冷静な自分は「本気で怒っているわけじゃない、大丈夫。殴られない。」と言っているけど、本能は「殴られるから逃げろ」と言っている。
碧琉くん、どうしよう…
私、またやらかしちゃった……
上手く、できなかった…
そう涙がこぼれ落ちた。