私が恋を知る頃に
「……あ、穂海ちゃん起きてる。」

そう言って入ってきたのは清水先生。

清水先生は私の顔を覗き込んでから、ニコッと笑った。

「よかった、ちゃんと意識はありそうだね。まだ、少しボーッとすると思うけどそのうちなくなるから。今、これ終わったら瀬川くん呼んできてあげるから少し待っててね。」

そう言いながら、先生は点滴を調節するとまたカーテンの外に出ていく。



数分すると、またカーテンが開いて碧琉くんと清水先生が入ってきた。

碧琉くんは、何故か焦った顔で、私の顔を見ると顔をゆるめた。

「…よかった……」

そう言った碧琉くんは、私の頭を撫でると優しい顔で頭を撫でてくれた。

「穂海、ここに来たこと覚えてる?」

ううん、と首を振ると碧琉くんは一瞬悲しそうな顔を見せる。

「穂海、施設で倒れたんだよ。今、沢山機械ついてるのもそのせい。説明してもいい?」

こくん
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