私が恋を知る頃に
果てしない自己嫌悪感に苛まれていると、なぜか両方の目から沢山涙がこぼれた。

自分を責めれば責めるほど涙が溢れた。

泣いていいような人じゃないのに

私は私が悪いから苦しんでるだけなのに

泣いてばっかり

やっぱりこんな世界戻ってくるんじゃなかったと、少し後悔した

苦しい苦しい

息とかじゃなくてなんだろう、生きてるのが苦しい

こんな私やっぱりいない方が

「穂海…?」

ハッと気付くと、真っ赤に目を腫らしながらも心配そうな表情の碧琉くん。

何かと思って見ると、私は無意識のうちに碧琉くんの白衣の裾をギュッと引っ張っていたようだった。

「……何か、怖いことあった?…怯えた顔してる。」

それもまた無意識だった。

自分の顔に手を当ててみると確かに顔が強ばっている。

「……かんがえごと…して、た」

カスカスの声でそう伝えると、碧琉くんは何故かまた泣きそうな顔で私の頬を撫でた。

しばらく、無言でそうしていると碧琉くんは言葉を絞り出すように口を開いた

「………あんまり、考えすぎないでね。穂海は、1人で思い詰めちゃう節があるから。」

そう言ってからまた撫でられた。

自殺しようとしたからかな

だから、言いづらそうだったのか

少し考えて私は小さく頷いた。

「……ごめんね」
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