私が恋を知る頃に
穂海side
「穂海、今日は少しお手伝いしてほしいことがあるんだ。」
そう言われたのは、次の日の朝。
回診が終わったあと碧琉くんはニコニコしながらそう言った。
お手伝い?
困惑していると、碧琉くんは笑顔のまま隠していたらしい何かを取り出した。
「じゃーん。折り紙!穂海はやったことある?」
折り紙…、小学校のとき触ったことあるくらいかな……
そう思いながら小さく頷く。
「ならよかった!千羽鶴って知ってる?折り紙で千羽の鶴を折って繋げるやつ。」
コクンと頷く。
確か、この病院でもどこかで見かけた気がする。
「それをね、今病院のみんなで作ろうって話になってるの。各病棟1つずつ千羽鶴を作るんだって。だからさ、人手が足りなくてね患者さんにも手伝ってもらってるの。それで、穂海にも手伝ってもらいたいなって。」
碧琉くんは折り紙セットから水色の折り紙を取り出して、ゆっくり折り始める。
その手つきはなんだか拙くて、慣れていないみたい。
数分で出来上がった鶴は、少ししわくちゃで羽も首も曲がっていた。
「いやあ、俺折り紙苦手なんだよね。いつも上手く出来なくてさ。看護師さんにも笑われちゃうんだよね。」
碧琉くんは何でもできると思ってたけど、意外な弱点を見つけてしまった。
「俺も時間空いたら作るようにはしてるんだけど、こんなシワシワじゃなんか申し訳なくてさ、穂海ももし良かったら作ってくれない?」
「……うん」
少し考えてから、返事をした。
私も上手くできるかわからないけど、時間はいっぱいあるし、少しだけつくってみようかな。
そう言われたのは、次の日の朝。
回診が終わったあと碧琉くんはニコニコしながらそう言った。
お手伝い?
困惑していると、碧琉くんは笑顔のまま隠していたらしい何かを取り出した。
「じゃーん。折り紙!穂海はやったことある?」
折り紙…、小学校のとき触ったことあるくらいかな……
そう思いながら小さく頷く。
「ならよかった!千羽鶴って知ってる?折り紙で千羽の鶴を折って繋げるやつ。」
コクンと頷く。
確か、この病院でもどこかで見かけた気がする。
「それをね、今病院のみんなで作ろうって話になってるの。各病棟1つずつ千羽鶴を作るんだって。だからさ、人手が足りなくてね患者さんにも手伝ってもらってるの。それで、穂海にも手伝ってもらいたいなって。」
碧琉くんは折り紙セットから水色の折り紙を取り出して、ゆっくり折り始める。
その手つきはなんだか拙くて、慣れていないみたい。
数分で出来上がった鶴は、少ししわくちゃで羽も首も曲がっていた。
「いやあ、俺折り紙苦手なんだよね。いつも上手く出来なくてさ。看護師さんにも笑われちゃうんだよね。」
碧琉くんは何でもできると思ってたけど、意外な弱点を見つけてしまった。
「俺も時間空いたら作るようにはしてるんだけど、こんなシワシワじゃなんか申し訳なくてさ、穂海ももし良かったら作ってくれない?」
「……うん」
少し考えてから、返事をした。
私も上手くできるかわからないけど、時間はいっぱいあるし、少しだけつくってみようかな。