私が恋を知る頃に
稲村さんと入れ替わるように今度は碧琉くんが入ってきた。

「やっほー、一緒にお昼食べてもいい?」

そう聞く碧琉くんの手にはコンビニの袋

コクンと頷くと碧琉はニコッと笑ってベッド横の椅子に腰をかけた。

「わ、すごい鶴の数、これ全部穂海が作ったの?」

「…うん」

午前中かなり没頭して作業していたから、気付けばかなりの数のカラフルな鶴たちが机の上に乗っていた。

「折り紙楽しい?」

コクン

私が頷くと碧琉は顔をほころばせた。

「よかった…」

小さな声だったけど、聞こえた。

碧琉くん、私に気遣って折り紙とか持ってきてくれたのかなって思うと少しだけ嬉しかった。

「じゃ、ご飯食べよっか。穂海も1回折り紙置いて一緒に食べよう。」

「うん」

碧琉くんと食べるご飯は何故かいつも美味しく感じた。
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