私が恋を知る頃に
穂海side
なんだか、ふわふわする
でもそれは気持ち悪くなくて、むしろ体を包む温かさも相まって心地よい。
トクン、トクンと静かな空間に自分の鼓動だけが響く。
まるで「今、私 生きてるよ」って言ってくるみたいに全身に自分の鼓動が伝わってくる。
ああ、私 こんなにも生きたがってる。
生きるために必死に心臓を動かしている。
『穂海』
私を呼ぶ声
そうだ、私には今、待ってくれてる人がいる。
私を求めてくれてる人がいる。