私が恋を知る頃に

碧琉side

ピリリリリッ

ピリリリリッ

園田先生とのミーティング中、俺のPHSが鳴った。

「はい。小児科 瀬川です。」

「小児病棟 稲村です。今お時間大丈夫ですか?」

園田先生に目配せをすると、先生はこくんと頷いてくれる。

「はい。大丈夫です。何かありましたか?」

「穂海ちゃんの施設のお友達が面会希望でいらっしゃったのですが、穂海ちゃん、さっきのパニックがあったので、指示を仰ぎたくて。」

穂海の友達……

穂海が元気な日なら、すぐに頷いていただろう。

それくらい、今の穂海には人との繋がり、社会的な繋がりが必要だ。

でも…、さっきパニックを起こしたばかりということは、今の穂海の心は不安定な状態かもしれない……

不安定な心に、刺激を与えていいものか……

「ちょっと、待ってください。」

今の自分だけでは判断がつかない…

一度PHSを置いて、園田先生に意見を求め·るか……

「先生。」

「ん?どうしたの?穂海ちゃんのこと?」

「…はい。それが……」




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