私が恋を知る頃に
『お前ばっかりぬくぬくと』

『何でいつもアンタはアタシを怒らすのよ!!』

『これだから子供なんて捨てろつったのに』

『アンタがいるせいで、私は苦痛を強いられるのよ』

『お前なんて居なければ』

『アンタなんか産まなければ』

『『お前・アンタなんて 死ねばいいのに』』






「っっっっっっっっつ!!!!!!」

全身から汗が吹き出る。

またこんな夢だ………

嫌だなあ……涙がボロボロ溢れてくる

胸が…心が痛い…………

先生帰っちゃったかな…

呼んだら迷惑かな?

息苦しいよ……





「穂海ちゃんっ!!」

「……ヒック…せ、んせ?」

「ごめんね医局に物取りに行ってたんだ……どうした?怖い夢見ちゃったかな?」

コクコク

「そっか、それで呼吸苦しいのか…。もう俺が来たから大丈夫だからね。一緒にゆっくり呼吸してみよう。」

先生に促されるまま、必死に息を整える。

……ようやく苦しさが落ち着いてきたのは、それから10分程経った頃だった。
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