私が恋を知る頃に
再び眠りについた柚月をベッドに寝かせてから、横で仕事をしていると、今度はPHSが鳴った。

「はい、小児科 清水です。」

『小児病棟ナースステーションです。お忙しい中すいません、穂海ちゃんがパニックを起こしてしまって、看護師も抑えられないようなので来てもらってもいいですか?』

「いいけど、瀬川先生はいない?担当、瀬川にしてたと思うんだけど…」

『それが…、手術見学で瀬川先生がいらっしゃらないんです。連絡はいれたんですが、もうしばらくかかるみたいで』

「なるほどね。了解。今行きます。」

柚月をどうしようか…と少し悩むが、穂海ちゃんのパニックを長引かせるとまずいので、一言置き手紙をして、俺が戻るまで起きないことを祈りながら部屋を離れることにした。
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