私が恋を知る頃に
穂海side
目が覚めると、知らない所にいた。
体中が重くて痛くて、体のあらゆる所に何かが繋がっている。
…………ここは、病院?
私、生きてた……の?
ホッとすると同時に、ひとつの恐怖が湧き上がってくる。
こんな所にいたら、怒られる。
家に帰った時、前よりさらに酷いことをされる。
早く、帰らなくちゃ……
重い体を起こして、変な機械やら管みたいなのも外す。
うるさい音が鳴ったけど、そんなの知らない。
早く帰らなくちゃ、今度こそ殺される…
その一心で、私は必死に体中のものを外して、走って部屋から出ていった。