私が恋を知る頃に

部屋から飛び出した所で、思い切り何かとぶつかる。
その弾みで、強くおしりを打った。

痛っ……

「大丈夫？」

そう声をかけられて、顔を上げると、知らない男の人が2人立っていた。

嫌だ

反射的にそう思って、体が勝手に動き出す。

とにかく、逃げようと必死で息も苦しくなりながら必死に体を動かすけど、男の人がそれを抑えてくる。

「嫌っっっやめて!!離してっ!!!」

「ちょ、ちょっと落ち着いて！大丈夫だから！ね？落ち着いて！」

何かを叫んでいる声も、全部暴言に聞こえて、さらにパニックになる。

いや、やめて、ごめんなさい、離して、逃げさせて、帰らなくちゃ、早く帰らなくちゃ……

「か…えらせてっ!!帰りたいの!!離して!!!!」