私が恋を知る頃に

碧琉side

夜、仕事が一段落して穂海ちゃんの様子を見に行くと、穂海ちゃんはひどく魘されていた。

最初は、寝かせておいてあげようかとも思ったんだけど、泣きながら涙を流し始めたのでこのまま寝かせておくのも可哀想になり、起こしてあげることにした。

肩を揺すって起こしてあげると、穂海ちゃんはひどく怯えた様子で、でも俺を認識すると少しホッとしたようだった。

昨日からほぼ何も食べていなかったので少し遅めの夕飯を食べさせて、それから少し診察をした。

熱は下がって、今のところ発作も起きずに済んでいる。

あとは、体調を整えて手術に臨みたい所だけど…

「穂海ちゃん、もう寝よっか?」

と、そこまで言ってからハっと気付く。

「……って言っても、寝たくない…?」

そう言うと、穂海ちゃんは小さく頷く。

「そうだよね、夢怖いもんね…、じゃあ今日は無理しないで起きてようか?」

コクン

「おっけー。眠くなったら教えて、深く眠れるお薬もってきてあげるね。」

そっと頭を撫でてあげると、穂海ちゃんは少し顔を緩ませて小さく笑った。
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