はっぴぃday
「本当に突然訪ねて来てすみません。

修二さんが゙サクラさんのために作った曲があるから聞いてほしい" って言ってました。

『思い出して辛くなるかもしれないけどライブに来てほしい。
俺たちはずっとサクラちゃんが来てくれるのを待ってるから』

これが修二さんとメンバーからの伝言です。

お待ちしてます。お仕事中にすみませんでした」

彼はもう一度私に頭を下げると、マスターに会釈して店を出ていった。

手足が冷たかった。

「サクラ、大丈夫か?
顔色が悪い…」

そう言いながらカウンターから出て来ようとした時に゙カランカラン゙とお店のドアがあいた。

反射的に立ち上がって振り向くと、黒いボトムにブラックデニム、黒渕眼鏡の端整な顔の彼が入ってきた。

そう、
゙くろちゃん"が来店してきた。

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