はっぴぃday


楽しみにしていた都内でのライブ。


私は前日から風邪を引き、熱は下がったものの体がだるく外出できる状態ではなかった。

「私は大丈夫だから一人で楽しんできて。せっかく都内でやるツアーファイナルのライブでしょ?」

「悠希が体調悪いのに一人で楽しめないよ。」

浩平がずっと楽しみにしていたことは知っていた。
だから私は彼の背中を押し

「私の分も盛り上げてきて!
みんなに宜しくね」

いつものように革ジャンをはおり、ハーレーに股がる彼をベランダから見送った。

手をふる私に浩平は軽く片手を挙げて走り去る…私が最後に見た彼の姿だった。
< 15 / 80 >

この作品をシェア

pagetop