はっぴぃday
翌日、モモと名古屋のワンマンライブに向かった。

早めにライブハウスに着くと、すでにたくさんのファンがメンバーに会いたくてライブハウスの前に集まっていた。

近くの女の子たちの会話が耳にはいる。

「新しくメンバーに入ったベースの大翔クールでカッコいいよね」

「うん。
このツアーで歌ってるラブソングいい曲だよね。
ヴォーカルのマサキもいいけど大翔の甘い声たまんない」

「好きな子にむけて作った曲なんでしょ。羨ましいよねぇ」

同じように彼女たちの会話が聞こえていたモモが、ニヤニヤしながら私を肘でつついた。

「カッコいいんだ。
楽しみだなぁ、会うの」

「うん、カッコいいよ。
でもめちゃめちゃ照れ屋。
ベースをもつと少しまともに話す」

「なーんだ。
私たちと一緒じゃん」

「えっ?」

「私たちだってステージに上がると変わるでしょ?
ビクビクすることないよ。

サクラはさ、怖いんでしょ?
昼間と違いすぎて嫌われるんじゃないかって。

大丈夫だよ。

どっちのサクラも可愛いから。

自信持ちなよ。

早めにさバラすべきだよ?」

「うん…わかってる」


辺りが急にざわつきだす。

メンバーが乗ったワンボックスカーが駐車場にゆっくりと停車した。


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