はっぴぃday
***

「よっ!」

控え室に修二さんが入ってきた。

「今日は遠くまですみません。
宜しくお願いします!」

全員で立ち上がり、マサキが挨拶して頭を下げる。

「あぁ、宜しくな。
楽しいライブにしような」

ぐるりとメンバーを見渡した修二さんが目があった瞬間にニヤっと笑う。

「サクラちゃん来てるじゃん。
ちょっと話したけど、ワンマンは全部いくし、仕事の都合がつくライブには全部行くって言ってたな。

俺たちのライブにすら関東近郊しかこないのになぁ」

相変わらず修二さんの視線は俺に向いたままだ。

「すっかり俺たちのファンだなっていうか…お前だよな」

マサキに背中をたたかれる。

「……」

みんなに注目されて、どうしていいかわからず目をふせる。

そう言われても、俺の心にいるのはサクラさんではなくてさくらちゃんなのだから。
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