はっぴぃday
「えっ?
てことはさ、この間のライブで本人だって気がつかないであの『さくら』って曲歌ったってことだよな」

祥也の言葉にますます俺は真っ赤になる。

「なっ?
健気な子だろ?
俺が教えたっていうなよ?
自分で伝えるっていってたから。

大翔、女の子に言わせんなよな。
わかってるよな」

「…わかってますよ。

みんな、悪いがあの曲に三番を追加したい。

そのつもりで演奏してほしい。

今、ソッコー歌詞を書くから」

歌詞なんて彼女の笑顔を思い浮かべれば、どんどん際限なく沸き上がってくる。

好きで好きでたまらない。

修二さんは意地悪く笑うと

「大翔、サクラちゃんはもうひとつ以外な顔をもってるから楽しみにしとけ。

ホントに男を虜にする小悪魔な子だよ。
お前えらい子に惚れたし、惚れられたな」


「俺よりよく知ってますね…」

ムッとして修二さんを睨むと

「情報源は仁だよ。
あいつ、マジにサクラちゃんに惚れてるから。
あーあ。
しばらく仁にいじめられんぞ。
覚悟しとけよ」

愉快そうに肩を揺らして笑う修二さんにつられて他のメンバーも笑い声をあげ、俺は仁さんのことを考えると憂鬱になり、一人苦笑いしていた。
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