はっぴぃday
嬉しくて今にも泣きそうだった。

モモがぎゅっと腕を掴み、チラリと見たモモの横顔も私と同じように目を潤ませている。

センターマイクの前に立った大翔が、真っ直ぐな視線を私に向ける。

優しく微笑み、少し高めの甘い歌声に会場内は静まり返る。

一番、二番は昼間のカフェのさくらをイメージしている歌詞だった。

そして、今日初めて聴く三番は、ライブハウスで初めて顔を合わせたサクラをイメージした歌詞だ。

大翔がどれだけ私を好きでいるのかを真っ直ぐに言葉を紡ぎ、伝えてくれる。

ステージの上の大翔はずっと私から目をそらすことなく、優しい笑顔を浮かべたまま、最後まで歌い終えた。
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