はっぴぃday
ステージを終えて衣装を着たままフロアーに姿を現すと、大翔は
羽織っていたジャケットを脱いで私に羽織らせ上までキッチリファスナーをあげた。

私を隣の席に座らせると

「目のやり場に困る…」

と視線を泳がせる。

「なんだよ、せっかく綺麗な衣装着てるのにお前の上着で隠すなよ」

口を尖らせて文句をいう仁さんを大翔はじろりと睨み付け

「ステージから降りたら見るのは禁止です!!

見ないでくださいよ、じろじろと。

っていうか早く着替えてきて…

そのスカートも透け透けで、スリット深いし…足、見えすぎ…
ここで煽るのマジ勘弁してよ…

ホンとに小悪魔…」

真っ赤になって眉毛を下げた、困り顔の大翔がめちゃめちゃ可愛くて、わざとじっとその瞳を見つめて聞いてみる。

「大翔、これが私の本当の仕事なの。
これがもう一人のSAKURA 。

このSAKURAも好きになってくれる?」

「…悠希…」

初めて呼ばれた名前に心臓が思いっきり跳び跳ねる。

「今夜覚えてろよ?

どこまで俺を好きにさせればきがすむんだよ。

寝かさないから…」


甘く甘く耳元で囁かれて

「着替えてくる!!」

全身真っ赤に大翔に染め上げられて、恥ずかしくて慌てて控え室に駆け込んだ。

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