成瀬くんなんて大嫌い。
…嫌いって偽って、近くにいれないよりは、1番になれなくても近くにいられるだけで幸せ?


「でも、梨花は宮木くんの特別だよ。」


「そうだといいな。」


「そーいえばさ、前も聞いたけど聞いてなかったからなんで付き合ったのか教えて?」


「…聞いてなかったの?!笑」


「うん、長すぎて。」


「ひどー!!」


「いいからいいから!なんで?」


そこから梨花は、懐かしそうに、幸せそうに話し始めた。


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梨花side


これは、私が1年生の時の話。


その日は、雨だった。


あたりは薄暗くて、冷たかった。


その日に限って、傘を忘れちゃったの。


あぁ、最悪…。いつもは折り畳み傘があるのに。こんな天気の悪い日に限ってないなんて。


陽茉莉は先に帰ったし、もう少し止んでから帰ろう。


そう思って昇降口に腰かけた。


しばらくぼーっとしていたら後ろからトントンって肩を叩かれて、振り向くと、隣のクラスの宮木 隆紀がいた。


同じクラスではないけど、整った顔と気さくな性格がいいらしく、かなり人気があるから名前は知ってる。


「梨花ちゃん何してんの?帰らないのー?」


今まで話したことがなかったのに急に話しかけられてびっくりしたけど、ニコニコと笑うその姿をみて、悪い人ではないんだろうなって思った。
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