成瀬くんなんて大嫌い。
「雨すごくて、雨宿りしてるの。」


私がそう言うと


「傘は?」


と、彼が不思議そうに顔を覗き込んできた。


人との距離近いな…って思った。


「忘れちゃった。」


「そっか、入ってく?相合い傘しよ?笑」


「え、いいよ笑宮木くん家どこら辺?私南町の方だよ?」


「俺北町の方だけど…」


「ほら、遠いじゃん!」


「いいから!行くよ?止まないって、雨。」


「うーん、そっか…じゃあ、お邪魔してもいい?」


「うん!」


だんだん暗くなってるし、雨が止みそうな気配はなかったので、ご好意に甘えて傘に入れてもらうことにした。


しばらく他愛もない話をしていたんだけど、宮木くんは突然、驚くことを言った。


「実は俺さ、ずっと梨花ちゃんのこと好きだったんだよね!!」


…え?


「え、と、聞き間違え…?」


「や、聞き間違えじゃないよ…」


「あ、分かった。好きだったんだよね、過去の話?そっか、うん、ありがと…?」


「や、まってまって、そうじゃなくて!今も!好きです!!」


…なんで?


「私達、今日、初めて話した、よね?」


なのに、好きになる要素なんてどこに…
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