成瀬くんなんて大嫌い。
「初めて話した、けど。俺、一目惚れだったんだ…。」


「ひ、一目惚れって…今年…?」


「う、うん、そうだけど。」


「え、えと…」


「今年の4月に一目惚れして…3ヶ月、ずっと見てました…!!!」


「え、あの、でも私…宮木くんのこと、あんまり知らないから、…」


「…その事なんだけど、全然、知らなくていいし、嫌だったらすぐ別れてくれていいから…付き合ってくれない…?」


えっ…


「え、でも、」


「ダメ、かな」


全然宮木くんのことを好きとか、そんな感情で見たことは無かったけど、その苦しそうな表情を見てどうしようもなく胸が苦しくなった。


いわゆる、きゅんとした…ってやつ?


「ほんとに、いいの?酷いこと言っちゃえば、私、全然宮木くんのこと、好きとか、そーゆー感じで見れてないよ…?」


「いーよ、全然。だから、付き合ってくれる…?」


「こんな私でいいなら…よろしくお願いします!」


そんな、なんとなくで付き合い始めた。


だから…こんなに好きになるなんて、思わなかった…。
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