成瀬くんなんて大嫌い。
その後急いで教室に駆け込んで、なんとか5時間目に間に合った。


…5時間目って、なんだっけ。


そう思っていると、


「今日は5、6時間目LHRやるぞー」


なんだか楽しそうな担任が教室に入ってきた。


HRか、ひまだな。


「今日は1ヶ月後の文化祭について話し合いしてもらうぞ〜」


おおお!文化祭!


「まずはじゃあ実行委員決めようか〜」


と、こんな感じで実行委員が決まり、私達のクラスは劇をやることに決まった。


劇の内容は、少しアレンジして『白雪姫』になった。


そう、問題は誰が王子様役、お姫様役をやるか。


「なるべく美男美女でいきたいね〜」


なんて呑気な実行委員。


「はいはい!!王子様役は樹君がいいと思います!」


…あの子、いつも成瀬くんの周りにいる子だ。


あわよくばお姫様役は私…なんて考えてそう。


そりゃそうだよね。だって、白雪姫といえば最後のキスだ。


みんなフリでもいいから成瀬くんとキスしたいんだろうな。


「みんな成瀬でいい?」


「「「さんせい!」」」


大多数の賛成により成瀬くんの王子様役は決定した。


確かにこの顔なら王子様でも誰も文句言わないだろうしね。
< 35 / 73 >

この作品をシェア

pagetop