成瀬くんなんて大嫌い。
私の事、結局救い出してくれちゃうんだもんね。


「んふふっ、成瀬くん、ありがと」


一年前と一緒だ。


また、成瀬くんに助けられてる。


「わっ、」


なんかびっくりしてる成瀬くん。


「え、何、?」


「笑った、瀬戸川ちゃん!」


「え、あ、さっきそんな話してたね笑」


「ん、笑った方がかわいーよ瀬戸川ちゃん」


あーもう、なんで可愛いとかいうの…


みんなに言ってるくせに…


深い意味なんかないくせに。


ドキドキするな、私!!!


成瀬くんの言う可愛いになんて、意味ないんだから!!


「成瀬くん、女の子に簡単に可愛いなんて言っちゃダメなんだよ?」


「だってほんとに可愛いんだから、思ったこと言っただけだよ?」


もうほんと調子狂うなぁ…


「そーゆーの、勘違いする子いると思うよ?」


絶対いるって。あの、成瀬くんの周りにいつもいる女の子達は絶対勘違いしてるよ…


「でも、思ったこと言わないの損でしょ?」


損?


「そうかな。…嘘つかなきゃやってられないことも、あると思うけど…。」


例えば、私のこの気持ちとか。
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