成瀬くんなんて大嫌い。

「うん、わかった。じゃね、また明日ね。」


「うん、梨花ありがと、ばいばい」


「はーいばいばーい」


ぷつ。


…もう、成瀬くんのこと嫌いって言わなくていいんだ。


そう考えただけで、なんだか心がすごく軽くなった気がした。


次の日学校に行くと、隣には既に成瀬くんがいた。


「おはよ、瀬戸川ちゃん」


…成瀬くんから、挨拶してくれた…!!!


どうしよ、嬉しい…


「おはよ、成瀬くん」


「なんか瀬戸川ちゃん今日元気?なーんかいいことあった?」


いいこと、か。


うん、あったよ。いいこと、あった。


もう、成瀬くんを嫌いって言うのやめたの。


自分の気持ちに嘘つかなくて、よくなったの。


でも、そんなの本人に言えるわけないからね笑


「うーん、なーんにもないよ?」


「そお?なんか明るく見えたから」


もう、ほんとに、細かいとこまで気づいちゃうんだから。


私のことよく見ててくれてるのかなって、期待しちゃうよ。


そんなわけないのに。


「うん、でも、ちょっといいこと、あったかも!」


「へえ?何があったの?」
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