成瀬くんなんて大嫌い。
「ねえ、今のお姫様だあれー?愛音と代わってよぉ〜」


え、愛音ちゃんと、代わる…?


そりゃ、愛音ちゃんのが可愛いとは分かってるけど。


今まで練習してきたのは、私、なのに…?


私だって、それなりに演技できるようになったし。


それに、せっかく成瀬くんと一緒にいられるのに。


愛音ちゃんに…譲りたくないよ…。


「ねえだあれ?今お姫様やってる子ー!」


愛音ちゃん、ほんとに代わってもらう気だ…。


「わ、私!」


思わず叫んじゃった…。


「ひ、陽茉莉…大丈夫!?」


心配してくれてる梨花。


でも、私も、お姫様やりたいもん。


せっかく、ここまで来たんだから。


「あ、えーと、誰?」


そっか、自己紹介してなかった


「陽茉莉です。愛音ちゃん…だよね?」


「うん、愛音だよー!でね、陽茉莉ちゃん、愛音、お姫様やりたい!」


「え、と、」


「ねえいーよね?だめ?」


「えーと、」


しっかりしろ陽茉莉!


ダメだって、言え!


私も、お姫様やりたいって、言わなくちゃ。
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