黒と白の羽
「―我ら王族の血をひく者

汝の姿呼び戻し

姿を見せろ

我の名に向けて

下れ

来い

『デクル』よ」



いつの間にかリークの足元には大きな魔方陣が書かれていた。



リークの前には・・・大きな虎が座っていた。



『呼んだか?主よ』


水に包まれた虎。


「呼んだよデグル。それで、俺の弟リクアを探してもらいたい」


『そんな事ならその娘に聞けば良いだろう』


デグルとリークの視線が逃げようとする鈴羅に行く。



「・・・めんどくさい事には巻き込まれないような立場に置いているつもりだったんだが・・・」



鈴羅は立ち止まる。



「―水の精霊よ

我はその声聞き届けた者なりて

ここへ戻れ

我の元に来い

真の姿を我の元に」



鈴羅の片手には水月が。


そして鈴羅の瞳は蒼くなっていた。


「水月・・・第2開放!〈香律の翡翠〉!」



水月は水を纏いだす。



そして・・・鳥が鈴羅の頭上を飛ぶ。



「レールド王国第二王子、リクア=レオードを探せ!」



鳥達が羽ばたいていく。
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