黒と白の羽
「目が覚めたら白い天井!寝かされてたのに!
捕まってみたり、同情されてみたり!剣を向けられてたり!!ふざけるな!!」



肩で息をする鈴羅。



「無様だな闇姫」



先ほどの青年―リクアが兵士を連れて牢屋に入ってくる。



「・・・はぁ」



鈴羅がリクアを見てため息を漏らす



「そのため息は・・・何だ?」




「何にもありませんよ。エセ王子」



嫌味のように聞える鈴羅の言葉。



「黙れ!この方がこの国の正当な王子ですぞ!!」



その言葉に兵士が怒ったのか牢の檻の隙間から剣を刺す。



偽者の王子・・・それは確信でもない言葉。



「煩いんだよ。声響く」



鈴羅の言葉には身も蓋も無い。



「なっ!!リクア様に向かって!!」



鈴羅は牢から引きずり出された。



「・・・服・・・汚れた・・・」


あるイミで心配するところ違うよね?






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