訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「栞、神崎 栞だ」

神崎 栞
蓮が探してるのは私なのか
蓮に関わってれば、記憶が戻るかもしれない
なら、白狐の姫を利用させてもらおう
私は立ち上がり、蓮を見下ろす

「白狐現総長 桜井 蓮」

ピクッと蓮が反応し、私を見上げる

「姫になってやるよ」

蓮は目を見開く

「雫…」

立ち上がり、私を見る

「今さっきまで嫌がってたのに、何でだ」
「これ以上、付き纏われるのが面倒、それだけ」
「…お前の言う、偽りの姫になるんだぞ」
「それはそっちの問題だろ。
他人なんて、どうとでも思わせておけばいい。
俺はもう…どう見られようが、何を言われようが……勝手にさせとけ」
「…なら、姫として白狐の奴等の前に出ねぇとな」
「それはいい」
「は?そうはいくか」
「なら、幹部にだけ伝えておけ
勝手に広がるだろ
探してる女が見つかれば、俺は消える」
「一度姫になった奴が勝手に消えれると思ってんのか」
「思ってる、俺にはそれが出来るからな」
「その時になって…俺が認めないと言ってもか」
「お前の意見は関係無い。その時になれば分かる」
「…どういう「これからよろしくな、蓮」
「ああ」

なってやるよ
白狐の姫…偽りの姫に
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