訳あり無表情少女と一途な幼馴染
学校が休みの日
幹部メンバーがいる中
今井が和士さん…理事長を連れて来た

「雫」

今井も理事長も、雫の頭を撫でる
今井が俺達に鋭い視線を向け

「何で、こんな事になったんだ。姫だろ、なのに…何でこんな事になったっ!」

春也がビクッと肩を跳ねさせ、俯く

「俺の…」
「あ?」
「俺の…所為、なんです」

春也が全てを話した

「すみませんでした」
「俺も、総長として…すみませんでした」
「謝って済む問題か?今の時期に水を掛けられて、頭もっ!
出血多量で、危うく死ぬとこだったんだぞ!
ただえさえ雫は寒さに弱いってのにっ…!」

雫が寒さに弱い

「そう…なんですか」
「…そっか、お前等。雫を、何も知らねぇんだな」

姫になっても、雫は自分の事を話さない
そもそも会話自体、一言二言で終わる
…考えてみたら、名前しか知らねぇ

「お二人は、雫について何を知ってるんですか?」

今井と理事長は顔を見合わせ

「それには答えられない」

答えたのは理事長

「? 何故です」
「雫はまだお前等を信用してない。いつか…雫が心を開いたら、本人に直接聞け」
「…で、お前等どうする」
「え…」
「え…じゃねぇ、この失態をどう挽回する」
「「…」」
「雫が目を覚ます時までに、考えとけ」
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