訳あり無表情少女と一途な幼馴染
和士はリビングに居てもらい、部屋には私と紫音だけ

「姉さん、栞…姉さん」
「…」
「なあ、姉さんなんだろ?」
「…前にも言った筈、私は貴方のお姉さんじゃない」

紫音がポケットからビニール袋を出す

「コレ、病院で…引き出しにあった。デイジーって花のネックレス、母さんが着けてた」
「…ネックレスなんて、同じ物はいくらでもある」
「そうだね。でも、コレは他と違う」

紫音はネックレスを裏返す

「コレはオーダーメイド、後ろにルビーがある。姉さんの力に関係する特別な石が」
「…」
「じゃあ…コレが母さんのじゃないなら、俺が着けてもいいよね?」
「!?…止めて」
「何で?」
「…っ」

言い淀んでる内に紫音が袋から取り出して着けようとする

「!」

私以外が着けたら、ルビーに蓄積されてる私の力で体が傷付くっ…
手を伸ばしても、上に手を伸ばされたら身長差があって届かない
紫音が今にも着けようとする

「ッダメ!!」
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