訳あり無表情少女と一途な幼馴染
紫音side
数時間後
目が覚めた姉さんは力の暴走後の事は、よく覚えてないらしい

「どこまで覚えてる?」
「紫音がネックレスを着けようとして、それを止めて…それからどうしたっけ」

そんなに覚えてないんだ
蓮が幼馴染って言ったのも覚えてないのか
都合が良いのか悪いのか
とりあえず話を切り替えようと俺は元の家に戻ろうって提案した
けど

「それは、駄目」
「何で、駄目なの」
「私の事は…」
「和士さんから」
「聞いたんなら、分かるでしょ?私は逃げてる。
ここは楼が手配して、力を使って探られない様にしてあるから住めてる。
紫音とあの家には戻れない」
「なら、俺がここに来るのは大丈夫?」
「………ちょっと待ってて」

姉さんが部屋に入り、戻ってくると手にはネックレスが

「コレ着けて」

首に掛けるとソレに姉さんが触れ、左目にペンタクルが
姉さんの指から赤い光が溢れてネックレスから次第に俺自身を覆う
光が消えると

「これで大丈夫」
「今のは?」
「《リプレイス》憑依する力」
「憑依?」
「コレに《ヒュプノ》催眠を憑依させた。奴等に関係する人間からは紫音は別人に見える」
「そうなんだ」
「家にはいつ戻るの?」
「親戚のとこに荷物があるから、それを運び終わってからだね」
「手伝おうか?」
「え?」
「お姉さんに任せなさい」
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