訳あり無表情少女と一途な幼馴染
紫音には悪いけど、少し揶揄ってやろうか
私は紫音の手首を掴む、ビクッと肩を震わす紫音、ピクッと蓮も反応

「雫、離して」
「何で」
「な、何でって…」

紫音の手をグッと引っ張り、耳に唇を寄せる

「もう、離れないんじゃなかった?」
「そ、それとこれは違「おい」」

私は蓮に振り返る

「何してる」
「別に何も」
「抱き締め合ってたのに、何もだと?」
「分かってんなら、わざわざ聞くな」
「俺が聞きてぇのは、何で抱き締めてたって事だ。紫音…」

ビクッと紫音が肩を震わせる

「雫と何やってたんだ」
「…」
「おい、答えろ紫「蓮に関係あるか?」…あ?」
「俺と紫音が何してようが、関係あんのか?」
「関係あるに決まってんだろ、お前は白狐の姫なんだ。だか「だから?」」
「姫だから、男と無闇に抱き締め合うなってか?
それは本当の姫に言え、それに俺は蓮の女でもない。
どこで何をしようが、関係無ぇだろ」
「…」
「これ以上話しても無駄だ」

私は紫音の手を引っ張り、ドアに向かうと肩を掴まれる

「…待ちやがれ」

はぁ、メンドくさい

「紫音、先に行ってて」
「…っ」
「大丈夫だから」
「…」

紫音を先に行かせる
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