訳あり無表情少女と一途な幼馴染
紫音が風呂に入ってる間、手合わせの事を聞く

「春、紫音…どう?」
「1回目でしたが、筋は良いです。
覚えも良さそうですし、体力も次第に付きます」
「そう。春が言うなら、問題無いね」
「栞さん…いや鷹」
「何」
「若や鷹が良いと言われたので、自分は何も言いません。
ですが、彼…蒼鷹はこれから、どう動くんですか」
「…」
「鷹のサポートは自分です。蒼鷹は何を…」
「蒼鷹はまだ力が無い…雛だ。
雛である内は、本人がどう言おうが首を突っ込ませない。
こちらの世界に本当に入るまで、蒼鷹とも呼ぶつもりは無い」
「彼が納得するとは思えませんね」
「納得させるなんて、はなから考えてない。
話さなければいい話だ。
楼も分かってる
今のアイツには必要以上には関わらせない
俺等の世界は甘い考えを持ってれば、すぐに死ぬ。
弱肉強食…弱ければ死に強ければ生きる
ただ、それだけだ
……そんな世界に、…っ紫音だけは、入れたくなかったのに…っ」
「…」
「悪い、もう休む。夕飯は紫音と食べて」
「はい、おやすみなさい」
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