訳あり無表情少女と一途な幼馴染
コツ…コツ…コツ…

遠くから靴音、この気配は…紫音か
声を掛けようと一歩踏み出したが、目の前の光景で咄嗟に隠れ、気配を消す
紫音と、手を繋いでる雫
どうして、紫音と一緒に…しかも何で手を繋いでる

「…、…」

何を話してる

「蓮達は最近、倉庫に一日居るらしいね。学校に行っても居ない訳だ
姉さ「ストップ」」
「雫って呼ぶのを忘れないで」
「ゴメン。最近、ずっと言ってなかったから、忘れてた」
「外だけでいいから。…皆に気付かれる訳にはいかない、手も離さないと」
「うん、分かってる。じゃあ行こ、雫」

紫音と雫が倉庫に入って行く

紫音が言い掛けた言葉は何だったんだ
それに、最近ずっと言ってなかったって…
しかも、外だけでいい…
まさかこの一ヶ月、今まで一緒にいたのか!?
呼び方を変えて、手も繋いで…
紫音が、あんなに穏やかな顔で
まるで、昔の紫音に戻ったみてぇだ
一体、どういう事だ
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