訳あり無表情少女と一途な幼馴染
姉さんがソレを開けば色とりどりの花弁

「沢山拾えたね」
「頑張ったもん!」
「何するの?」
「コレをドライフラワーにして瓶に入れる」
「瓶に花を入れて…それだけ?」
「まあ、見てて」

姉さんは花弁を両手で持つ
左目にペンタクルが浮かぶと花弁が浮き、手の中で舞う
花弁がみるみる内にドライフラワーになっていく
花は瓶に入っていき、全部入る頃には部屋中に香りが

「はい」

ドライフラワーを入れた瓶を美弥に渡す

「ありがと〜!」

こういうのって蓋を閉めなくていいのか

「蓋は…」
「大丈夫よ」
「生体コントロール…《テロメア》だ。
本当は人の生命活動をコントロールする能力だが。そこは栞だから、だな。
コレを家に置けば、栞の力がある香が纏えて、お前のネックレスと同じ効果を持つ」

そんな事も出来るんだ
そう思ってると、姉さんが不安気に俺を見てる
姉さんが何を思ってるか、姉さんの様に力が無くても分かる

「ビックリはしたけど、気味悪がってないよ。凄いなって驚いただけ」

姉さんはホッとした顔で目線を落とす
不安にさせない様に優しく手を握り

「大丈夫だよ」

姉さんは人の感情に敏感なんだ、心の声以外でも他人の感情を読み取れる
能力じゃない、きっと今までの生活で身に付いたんだ
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