訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「…で話戻すぞ。2人に来てもらったっつう事は欲しいモンでもあるのか?
前に服は頼んだだろ?」
「…………水着」
「「「「…水着?」」」」
「……水着、選んでほしい……」

皆、ポカンと口を開けたまま固まって
次第に目を輝かせ口角が上がっていく

「「「「よし!水着だな(ね)!!早速買いに行こ!!!」」」

見事にハモった

「服、いつも奈緒さんと美弥に頼むの?」
「気軽に出掛ける訳にはいかないから代わりにね。
奈緒さんはともかく美弥は、私には似合わないのしか選んでくれないんだけどね」

…姉さんの服装の謎が解けた
基本クール系やカジュアル系が多いけど、時にフリルとか可愛いのを着てる時がある

『あの子、またこんな服選んで…』

その表情と声には、呆れと恥ずかしさ、嬉しさが混ざってる気がした
ああ言う割に、ちゃんと全部使ってるのは知ってる

だから姉さんは今日、水着を着てるか持ってきてる筈
俺も見るのは今日が初めてな訳で
だから、早く見てみたい気もある…けど

「雫、海入るぞ」
「雫さん、行きましょう」
「嫌、ここに居る」

さっきから、この繰り返し
姉さんはパラソルから一切出ようとしない
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