訳あり無表情少女と一途な幼馴染
いきなり何を言う

「久八高に転校してきて、何故か男のフリしてた
女なら喜ぶだろう白狐の姫も頑なに拒んだ
屋上で俺の蹴りを避けもせず、相殺した
紫音だって、お前が変えたんだろ…いや変えたんじゃない、本来のアイツに戻したんだ
そして最近の紫音の戦い方
俺等…いや高校生の喧嘩の仕方じゃない、大人の…組の人間のやり方だ」
「…」
「雫、お前…ただの女じゃねぇよな?」
「…」
「答えろ」
「…」
「答えろよ!」

ダンッと蓮の拳が顔の横の壁を叩く

「コレも…普通の奴ならビビってる。女なら尚更、何で平然としてる
お前は一体、何の目的で…久八高に来た」
「…」
「……何で、何も答えてくれねぇんだ。
もう、俺に関係無かろうがどうでもいい。
ただ知りてぇんだ、お前を…」
「前にも言った、私は…いつか居なくなる。お前等の前から消えるんだ
だから何を教えたって無駄だ」
「消えさせねぇっつったら?」
「お前がどう考えようと、何をしようと私が居なくなるのは変わらない」
「何でだ、何でそんなに俺達の前から消えようとする」
「私は、お前等みたいな人間の側で生きる人間じゃない」
「俺達みたいな?」
「これ以上は話さない。退け」
「断る」
「退けよ」
「断るっつってんだ」
「退けよ! !?」
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