訳あり無表情少女と一途な幼馴染
家に帰ってきても、不安そうな紫音

「ありがとね」
「え…」
「条件のんでくれて」
「…ホントなら、側にいたいけど」
「ゴメンね、紫音まで狙われる訳にはいかないから」
「ネックレスを着けてれば、大丈夫なんだろ?」
「うん、そう…だけど。紫音が心配だから」
「俺は、姉さんが心配なんだけどな」
「…そういえば、さっき蓮が楼を兄貴って呼んでた」
「!」
「楼に弟がいるなんて知らなかった、今まで見なかったし
紫音は知ってたの?」
「あ…うん、知ってたけど。
蓮はまだ組には関わってないから、話す必要が無いと思ってたんだ」
「…蓮はあそこに住んでるの?」
「さあ、どうだろ。蓮とは高校から知り合ったから」
「そうなんだ」

紫音が高校からしか知らないんだったら、私が関わってる訳ないか
…だったらどうして、蓮は私を探してるんだろ
紫音にあの事件を聞いてれば、同情や興味本位で探す人もいるか
まあ、とりあえず

「紫音、自炊出来る?」
「……あ」

家事は、奈緒さんにでも頼んどくか
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