訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「コイツの素顔、見せてくれ」
「駄目だ。鷹はあくまで影の存在、存在を知ってても顔は見られる訳にはいかねぇ」
「…何も教えてくれねぇのか」
「本当だったら、蓮…お前にも言わずにおいていた。
だが今回の敵はお前を狙い、鷹が適任だから話したんだ」
「…兄貴と、酒向も知ってるっつったよな」
「ああ」
「酒向は鷹の何を知ってる」
「酒向に聞いても何も答えねぇよ」
「…」
「話は以上だ。部屋に戻れ」

蓮は襖を開け、振り向き様に私を見て出て行った

「もう、いいぞ」
「ん。楼…」
「何だ?」
「弟いたんだね」
「あ、ああ」
「紫音も高校から知り合ったって言ってた」
「離れて暮らしてたからな。和士も知ったのは最近だ」
「そう。どうりで2人が似てる訳だ」

あれ、ちょっと待って

「楼、前に私が桜井 蓮に似てるって言った時…偶々って言ってたよね?」
「…」
「どういう事?」
「その後だったからな、俺が蓮と再会したのは」
「ふ〜ん。あれ、でも「そろそろ、帰った方がいいんじゃねぇか?」
「あ、そだね。帰る」

長居してると紫音が不安がる

「じゃ…」
「ああ、蓮を頼むな」
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