訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「離せよ兄貴!アイツ怪我してんだぞ!早く行かねぇとっ!!」
「行くってどこに行くんだ」
「俺なら気配を探れば分かる!…って、気配が…」
「やっと気付いたか、アイツなら俺の部屋に戻ってって…おい!」

廊下から声が聞こえドタドタと足音が聞こえ、バンッと襖が開く

「れ…」

蓮と言い切る前に、勢い良く抱き締められる

「…痛…い」
「戻ってきた、良かった…」

蓮が少し離れる

「雫、お前、やっぱり…」
「蓮、話は後だ」
「兄貴」
「桜井…さん」
「鷹、ご苦労だったな」
「あり…がと…ございま…」

体の力が抜け

「雫!?」

蓮の腕に支えられたところで、ギリギリに保ってた意識を手放した
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