訳あり無表情少女と一途な幼馴染
…とにかく水が飲みたい
痛いけど、我慢してゆっくり起き上がる
紫音は丁度寝返りをしてくれて、握ってた手が外れた
ゆっくりと立ち上がり、襖まで壁伝いに歩く

「はぁ…はぁ…はぁ…」

これだけの動きに息切れするなんて
襖を開ければ、もうすぐで夜が明けそうな空が

「少し、休んでから…「どこ行くんだ」」
「!?」

振り返れば、蓮がすぐ後ろに

「れ…蓮」
「そんな体で、どこ行くんだよ」

怒ってる様な、心配してる様な表情と声色

「水、飲みたくて」
「なら俺が持ってくる、動くんじゃねぇぞ」

私が返事する前に行ってしまった

「はぁ…」

正直、助かった
思った以上に動けない
襖に手を掛けたままズルズルと座り込み、蓮を待った
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