訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「…っ、栞!」

蓮が力強く抱き締める
記憶は戻ってない、けど…もう隠せない
紫音は気を使って部屋から出て行った

「栞…!栞!栞!!」
「蓮…」
「やっぱりっ、栞なんだな!やっと!やっと見つけた!!」

蓮が肩に顔を埋める…紫音の時と同じだ
背中に手を回してポンポンと叩くとギューッと痛い位に抱き締められる

「今まで、どこに居たんだ!あの日からずっと!ずっと探してたんだぞ!!」
「ごめん」

紫音には話せたけど、蓮にはまだ…
記憶が戻らない限り、何も話せない

「…ごめん」

蓮は顔を上げ、目が合う

「栞、お前に言いたかった事があるんだ。ずっと、ずっと言いたかった事が…」
「蓮…」
「栞、俺…お前の事がずっと好「ごめん」」
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