訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「確かに、お前のやってきた事は、人として許されねぇ事だ。
辛いのは分かる、苦しみも悲しみもな…。
覚えてるか?
俺んちはな、極道だ。そして俺は桜井組の頭だ
極道やってると、汚い事も知ってるし…やった事もある。
だから、お前の気持ちは分かる
けどな、過去の過ちを悔いて自分も死ぬ…それはな、甘えだ
悔いる事に、償う事に逃げようとしてるだけだ」
「お、おい楼」
「和士は黙ってろ。なぁ…栞」

楼は私の手を強く握る

「死にたいって考えるよりも、辛くても…苦しくても…生きる事が償いになる
お前が奪ってきた命の分まで、お前が生きていくんだ
まだ生きたかった人達の想いを背負って、生きろ
死ぬなんて考えるな…生きようと足掻け、もがけ。

精一杯…生きろ」
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