訳あり無表情少女と一途な幼馴染
和士side
楼が死にたいと言う栞の頰を叩き、怒りをぶつけた
栞から送られてきたイメージは、目を背けたくなる様なモノだった
死にたいと思うのも分かる
けど、それを楼が許さなかった
自分の過ちを悔いて死んで楽になるのは、確かに逃げる事なのかもしれない
でも俺達は、それでも栞に生きてほしい
辛くても…苦しくても、栞はもう…一人じゃないんだ

「栞」
「…」

栞が恐る恐るといった感じで楼に顔を向けるが、目は合わせない

「栞、言っただろ?これからは俺達がいるって、お前一人で抱え込む必要は無ぇんだ
だからな?俺に案がある
俺の組に入らねぇか?」
「「!?」」
「…は?……はぁ!?何言ってんだよ楼!」
「和士、煩ぇ」
「煩くねぇよ!何でそうなるんだよ!?」
「組に入れば、悪さしてる奴を叩きのめせるぞ?良い結果だと更生させられるし
お前の償いは、生きる事と人の役に立つ事だ」
「…それ、お前の組にしか役に立たねぇよな?」
「あ?悪さしてる奴を無くして、良ければ良い奴に変えてくんだぞ?
世の中の役に立つじゃねぇか」
「……でも、組に栞を入れるのか?」
「…。栞、どうだ?」
「…」
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