訳あり無表情少女と一途な幼馴染
記憶を消す程

「そんなに、あるのか」
「…」

でも

「栞なら、痕を残さずに治せるよな?」
「…っ…」

紫音が唇を噛み、俯く

「どうした」
「致命傷じゃない限り、力で治すのを禁じられたらしいんだ」
「!?」
「その癖が今でも残ってるらしいんだ。今回は分からないけど、もしかしたら…」

何で、栞は

「女だぞ!?」
「俺だって、思ったよ」
「お前は、栞がどんな事をしてきたのか知ってんのか」
「…」
「紫音」
「知ってる。
俺は受け入れて、姉さんを護ると決めた。
だから俺も姉さんと同じ、桜井組の影になったんだ
いつ、どんな時でも、姉さんを護れる様に」
「…フッ、道理で喧嘩の仕方が違う訳だよな」
「酒向さんに鍛えられてるからね。…蓮」
「何だ」
「姉さんの過去を…闇を、受け入れる覚悟は、ある?」

栞の…闇

「…ん…」

栞が身動ぐ

「…姉さんに直接聞いた方がいい、聞けるか分からないけど」

紫音と、栞の側に行く
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